himarayasannmyakuのブログ

70年代と80年代のサブカルが一番好き

【ウマ娘】正直な感想:スターブロッサム#1~5

 

ご訪問ありがとうございます。暇ラヤ山脈です。

そういえばスタブロ読んでなかったな、と思い至ったので読んでみました。

読もう読もうと思ってるうちに一年過ぎてたのに気づきまして(^^;

気になったところを整理しながら読んでみようと思います。

以前は2話ずつで書いてましたが、5話分まとめて進めることにしました。

 

各話あらすじ

第1話

凱旋門賞制覇を夢見る明石 椿。

フランスの"マダム"との約束を果たすため、チーム・アルケスの見習いトレーナーとして奮闘している......のだが、彼女は一つの物事に集中すると周りが見えなくなるおっちょこちょい。

何をやっても失敗ばかり、未だに担当ウマ娘もいない、凱旋門賞どころか勝負の舞台にも立てていない。

今日も理想とかけ離れた現実を前にして落ち込んでいた。

「私はブライアンちゃんのライバルになるウマ娘です!」

そんな中、ナリタブライアンが勝った朝日杯FSを観戦した際に出会ったあるウマ娘……サクラローレルに、椿はかつての自分を重ね合わせる。

翌日、模擬レースを観に来ていた椿は、偶然にもローレルが走る姿を目撃することに。

しかし、デビューすら危ぶまれる脚部不安を抱えているローレルは、途中でレースから離脱してしまった。

それでもローレルからすれば、それはとてつもない進歩。

一歩ずつでも夢に近づいている。

世界の大舞台、凱旋門賞に。

「Qui ne risque rien n' a rien.(挑戦なくして、得られるものなど何もない)」

ローレルに感化された椿の脳裏には、かつての自分の信条が甦った。

そしてローレルの手を取り、

「私と目指しませんか?世界の頂点凱旋門賞!!」

未熟な二人の前人未到の挑戦が始まる……?

 

第2話

夢への最初の足掛かりを得たローレルは喜びを抑えられない。

期待を胸にチーム・アルケスの門戸を叩くローレルだったが──

待っていたのはチーフトレーナー・梧郎からのお説教タイムだった。

サクラローレルさんのチーム入りは許可できません」

説得を試みる椿だったが、ローレルが2度と走れなくなった際の覚悟と責任について問われ、何も言い返せない。

覚悟なんて、そんなこと考えたこともなかった......。

一方、ローレルは梧郎の主張に理解を示し、チーム入りの話がお流れになることも納得する。

ツバキと対照的に、既にローレルの夢への覚悟は決まっていた。

チーム入りが叶わない=夢が叶えられないでもない。

ローレルのポジティブさの源は、幼いころから身体的ハンデと戦い続けて培われた不屈の精神だった。

「私なら絶対叶えられますから!」

しかし、ローレルの事情を知らない第三者からすると、何の実績もないウマ娘の口先だけの言葉でもあるわけで。

ナリタブライアンと走ったこともねェヤツが舐めた口きいてんじゃねぇよ」

……チーム・アルケスのヨシノプリヴェールに目を付けられてしまうのだった。

どんなに立派な夢も実現しなければただの夢。

ここでブライアンに負けたヨシノに勝てなければ、打倒ブライアンも凱旋門制覇も夢のまた夢…...で続く。

 

第3話

ヨシノの乱入で剣呑な雰囲気になったアルケスの部室だったが、椿がレースでの決着を提案したことで事なきを得た。

アルケスの一同はグラウンドに移動し、ヨシノとローレルのウォームアップが始まる。

高揚感を抑えられないローレル。

一方、椿は自分の提案のせいでローレルが走ることに負い目を感じていた。

ヨシノに勝つために作戦を練ったものの、今度はぶっつけ本番でローレルにだけリスクを負わせることになる罪悪感に苛まれる。

自分の判断一つでローレルが2度と走れなくなってしまうかもしれない……。

梧郎の言っていた"覚悟"を痛感し、椿は悄然としてしまう。

「大丈夫です!私 全力で走って勝ちますから!」

そんな椿を、ローレルは信じてくれた。

ローレルの覚悟を受け取った椿はしっかりと頷き、彼女を送り出す。

「ヘラヘラすんな レースはよ 遊びじゃねぇんだ!!」

ついにレースがスタートし、ヨシノが先行...で続く。

 

第4話

「レースを走るのはウマ娘です」

「我々はどこまでいってもウマ娘にはなれない」

ベテランの梧郎から言わせれば、努力はトレーナー業の最低条件。

椿が寝る間を惜しんで担当の走り方を研究したり、作戦を考えるのも、トレーナーとして当然の行為であり別段褒めるようなことでもない。

しかし、父として娘を気遣わないわけではない。

優しい故に厳しい、明石梧郎であった。

 

レースはヨシノがリードを広げ、ローレルは離された位置で追走する形になった。

先行策のヨシノに対抗するために椿が提案した作戦は後方待機。

急激なダッシュとブレーキを繰り返す走り方はローレルの脚を壊しかねない。

逆に一定のペースでラップを刻む走り方なら相手に付き合う必要もなく、脚への負担も軽減される。

そうして脚を残し、最後の3ハロン(600ⅿ)で仕掛ける。

分析通りならローレルは最後の3ハロンで勝負を決める脚を持っているはず──。

サシの勝負ではローレルが有利だが、ヨシノも根性で粘り込む。

ゴール直前、ローレルがヨシノに並びかけ......。

 

第5話

ローレルはあと一歩及ばず、模擬レースはヨシノの勝利で終わる。

公式レースではないとは言え、椿の初レースは悔しい結果になった。

「でもゴールまで全力で走りきれました!貴方のおかげで!椿トレーナー!」

ヨシノもローレルを認めたようで、無事に和解。

 

梧郎から呼び出しを受けた椿はアルケスの部室へ移動。

勝負の厳しさを知った椿に、梧郎は今一度覚悟について問う。

「覚悟ならとっくに決めています!」

「あの子と一緒にふたりで一緒に勝つために!」

挫折を味わった椿はそれでも、厳しい勝負の世界でローレルと戦うことを選んだ。

椿の覚悟を受け取った梧郎は、トレーナとしてではなく、父親として背中を押す。

「...言葉にするだけなら簡単です。だからこそ口先だけにならないように」

「気張れよ椿」

 

考察とか総括

小ネタ

登場する名称やキャラについてのアレコレ。

 

サクラローレル

アプリの常に余裕のあるローレルとは若干異なり、天然気味なのを強調されてますかね。

史実の脚部不安は、足の脆さに加えて踏み込みの強い走り方が未完成な体への負担を大きくしているとのこと。

モデル馬の戦績を再現する場合、これからクラシック3冠に間に合わせるためにレースに出まくるわけですが......。

皐月賞やダービーまでのタイムリミットを強調してきたということはそのあたりの話も詳しく描くつもりなのは間違いないと思います。

物語のゴールはやはり凱旋門賞

史実を知っているとどうしても身構えてしまいますね。

 

明石 椿

頼れる大人が多かったこれまでのトレーナー像とはうって変わって、幼さや未熟さが目立つトレーナーですね。

容姿も大人っぽく見えないようにされてます。

椿の全般的な花言葉は「気取らない美しさ」「誇り」。

象徴するものは「忍耐」と「生命力の強さ」。

「春」を告げる「木」、転じて「明るい未来」。

桜と同時期に咲く春の花ですし、『サクラ』と共に冬を耐え忍ぶパートナーとしてこれ以上ない名前かも。

 

チーム・アルケス

チーム名はやはり星の名前からですね。星言葉は『曖昧さを嫌う正義感』。

一つのチームにトレーナーとサブトレーナーが複数人所属している大所帯のようですね。

アルケスはコップ座を形成する恒星。アラビア語で「(ワインを飲むための)カップ」を意味する言葉に由来します。

象徴するものは「神聖なものの継承者」「継承、遺伝、特別な価値を受け止める器」。なかなか意味ありげ。

椿とローレルは一体何を継承するのやら。

 

明石 梧郎

師匠と父親の役割を一つに纏めてしまえということですかね(^^;

梧(アオギリ)は支え柱の意、花言葉は「秘めた意志」「秘めた恋」。

6~7月頃に花を咲かせ、8月末頃に実をつけるが完全に成熟するのは10月。

時間は掛かっても必ず成果を出す、ということか。

しかし、椿といい、梧郎といい名前に植物の漢字を入れてきましたね。梧なんて珍しい字を敢えて入れるわけですから、花言葉はかなり意識してるのは間違いないでしょう。

 

ヨシノプリヴェール

95年の朝日杯で前半暴走して後半失速する馬と、特徴的なヒントが沢山あったので彼女は間違いなくサクラエイコウオーですね。

今作ではヨシノプリヴェールという名義になりました。

ヨシノは吉野山からかな。いや、ソメイヨシノからか。

プリヴェールは調べてみたらさくら草のフランス語で、花言葉は「長続きする愛情」「青春の喜びと悲しみ」。

三白眼でギザ歯のやんちゃな暴れん坊という風体。

既にサクラ冠のウマ娘が3人もいる中、実名じゃないのはエイコウオー以外のサクラ軍団の馬の役割も兼ねてるから…?

それこそ違うエイコウオーが出なかったレースに出たりとか?

 

サクラチヨノオー

ご存じ、サクラ軍団のダービー馬。

今作は相談役に落ち着くのかな。

出番があるのは嬉しいんだけど、チヨノオーが出てくるシーンは台詞が少々不自然になりがちでした。

ローレルと面識があることが説明されないままローレルについて語ったりするので、何かしら補足説明は必要だったと思います。

ヴィクトリー俱楽部の設定を知らないと混乱するんじゃないかなぁ。

この辺は次回以降で改善してほしいところです。

 

ナリタブライアン

気持ち太めで厳つい佇まい。

アプリ版は雰囲気に反して、睫毛長めでかわいい系の顔なので、公式のメディアでここまで厳ついブライアンも珍しいですね。

 

気になったところ

 

・1話の仕事をサボっていた椿がグランドで梧郎に見つかるシーン

何の脈絡もなくレースを観に行くのは不自然じゃないかなぁ。

椿には仕事そっちのけで抜け出す癖があるとか、「明日○○が終わるまでレース観戦は禁止だ」とか前振りがあったほうが場面の移行が自然だったかと思います。

 

・4話で椿がローレルのレースを見返していたシーン

ローレルがアスケラを訪ねてヨシノに喧嘩を売られる(2話~3話)までは同じ日の出来事だったとすると……

A:模擬レースの話が決まってから数日の準備期間を与えられてその間、寝る間を惜しんで対策を練っていたのか

B:梧郎にローレルのスカウトの件を伝える前にツバキが独自に研究していたのか

明言されていない以上、2通りの解釈ができてしまうのでこの辺ははっきりさせておいて欲しかったところ。

せっかく丁寧にやろうとしてるのに勿体なく感じますね。

 

総括

以上、ローレルと椿との出会いからチーム入りが認められるまでの5話でした。

実力を発揮しきれないが不屈の精神を持つローレルと、エリートだが自信が持てない椿、それぞれの短所を長所で補い合うダブル主人公の今後を期待させる導入だったと思います。

とはいえ、サクラローレルの史実の戦績を考えるとすんなり大活躍、とはいかないんですが(^^;

シンデレラグレイでも度々触れる「ライバルに勝てない」「時代の主役になれない」勝負の世界の厳しさというより、「そもそも同じ舞台に立てない」「走りたくても走れない」厳しさを描こうとしていると感じました。

最初期からブライアンが活躍するレースも描きつつ、ダービーまでのタイムリミットに言及したのはそういう狙いがあってのことだと邪推。

「誰が勝った、負けた」で爽快感を求めるより、最終的な完成図を想像しながら、キャラの動かし方や配置から次の一手を予想する方が味わい深く楽しめる作品ですかね。

「誰が何を言った」に注目して史実を調べたりと面白くなるかも。

これまでのウマ娘とは違うことをやるぞ、という意気込みは伝わったのでもう少し追っかけてみようと思います。

 

では、今回はこの辺で。さいなら('◇')ゞ